英検2級の勉強法は?初心者の状態からスタートできる具体的な手順や参考書を紹介
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英検2級は大学入試で役立つ資格として、高校生でも挑戦する資格です。
ただ、「どのように勉強すればいいの」と悩んでいませんか?
英検2級に合格するには、基礎をしっかり固めてから実践的な対策に進むのがもっとも有効です。
この記事では、はじめて英検2級に挑戦する高校生のために、具体的な勉強法と参考書の選び方を紹介します。
マナビズムと一緒に、英検2級への合格を目指しましょう!
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□具体的に何から始めたらいいかわからない
□合格までの計画を立ててほしい
□1人で勉強を進められない
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英検2級とは
英検2級は「高校卒業レベル」と位置づけられている英語の資格です。
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)という国際的な基準では、B1レベルに相当します。
英検2級を取得すると、大学入試での優遇措置や入学後の単位認定など、さまざまなメリットがあります。
例えば、大学入試での英語試験を免除できたり、推薦入試の条件として認められたりします。
また、就職活動での自己PRや海外留学の基礎資格としても活用可能です。
英検2級のレベルと求められる4つの英語力
英検2級では、以下の4つの英語力が求められます。
- リーディング力
- ライティング力
- リスニング力
- スピーキング力
リーディング力
英検2級のリーディングでは、社会的な話題について書かれた文章を読んで、その内容を理解する力が求められます。
- 環境問題
- 教育
- テクノロジー
などの話題について、文章の流れを追いながら要点や詳細を把握する必要があります。
高校生にとっては、日常会話を超えた少し難しい話題も出てくる領域です。
ライティング力
英検2級のライティングでは、自らの考えを論理的に表現する力と、英文を要約する力の両方が試されます。
新形式(2025年〜)では、意見を述べる問題に加えて、英文要約の問題も出題するようになりました。
リスニング力
英検2級のリスニングでは、日常的な会話だけでなく、ニュースやスピーチなど少し専門的な内容も理解できることが求められます。
会話の流れをつかみながら、話し手の意図や情報を聞き取る力が必要です。
スピーキング力
英検2級のスピーキングテスト(面接)では、短い文章を音読したのち、質問に答える形式で行われます。
自らの考えや経験について、まとまりのある英語で話すことが求められます。
スピーキングでは、単に英文を暗記するのではなく、自らの言葉で表現する力が重要です。
では、本題である英検2級の勉強法に入りましょう。
英検2級の勉強方法を実践する前に『基礎固め』が重要
【動画でもご覧いただけます!】
英検2級に合格するためには、まずは英語の基礎をしっかり固めることが何よりも大切です。
サッカーの試合に例えると、長文(試合)の前にドリブル・パス・シュート(単語・文法・解釈)を徹底的に練習するようなもの。
英語の学習は「単語→文法(インプット+アウトプット)→解釈→長文」というステップを踏みます。
これを踏まえて、基礎固めのポイントを詳しく見ていきましょう。
①英単語帳の使い方 / 選び方
英単語は英語学習の土台となるもので、1冊の単語帳を選んで継続的に学習します。
以下の表は、代表的な英単語帳の特徴と、どのような人に向いているかをまとめたものです。
候補 |
特徴 |
推しポイント |
想定タイプ |
---|---|---|---|
システム英単語(シス単) | 大学入試”専用”に設計。派生語・語法・多義語も一冊に凝縮。 | 「シス単一択」と断言するほど汎用性と完成度が高い。 | 国公立〜私大一般入試志望で迷ったらこれ。 |
ターゲット1900 | 4技能・英検準1級まで視野に改訂。語数は多め。 | 根性で周回できる”パワー型”には向く。カード・アプリも豊富。 | 量をこなす覚悟がある人/既にターゲットで進行中の人。 |
Stock4500 / LEAP | 共通テスト・民間試験の語彙もカバー。 | “受け皿の広さ”が魅力。 | 私立高の指定教材/4技能試験と両立したい人。 |
100式英単語 | 語彙の”覚えやすさ”に特化。 | 「覚えやすさ1位」と講師が評す。 | 覚える感触を優先したい初心者。 |
迷ったらシステム英単語(シス単)を選ぶといいでしょう。
ただし、「ほかの単語帳はダメ」というわけではありません。
すでに使っている単語帳があれば、無理に変える必要はないのです。
単語を覚える際は、派生語(例:happy→unhappy)や多義語(例:runには「走る」以外の意味もある)もセットで覚えると、長文を読むときにつまずきにくくなります。
②英文法(インプット×アウトプット)
英文法の参考書には、大きくわけて以下の3タイプがあります。
カテゴリ |
代表例 |
概要 |
---|---|---|
① “分厚い4択”系 | Vintage / Scramble / Next Stage など | 文法・語法・会話表現を網羅。学校配布率高。 |
② “解説激厚”4択系 | デュアルエフェクト/ 深めて解ける文法 など | 問題数は①と同等だが解説が詳細。独学向き。 |
③ レベル段階別 | Polaris / (肘井)英文法のソリューション など | レベル1→2→3と段階的に負荷を上げる設計。 |
上記はすべてアウトプットです。
英文法の勉強では「理解(インプット)」と「演習(アウトプット)」をバランスよく組み合わせてください。
経験上、高校生はアウトプットだけで理解しようとして、迷子になるケースが多いです。
【推奨フロー】
- 範囲を1セクション小さく切る(例:時制)。
- インプット教材(講義動画/新英文法大全 etc.)で概念を理解する。
- すぐ同範囲の4択問題を解いて定着。
- 次のセクションへ。
「インプットとアウトプットを”段落ごとに”往復」が基本です。
よくある失敗は、文法書を最初から最後まで通読してしまい、1周後にはほぼ忘れてしまうこと。
また、いきなり4択問題集を1番から解きはじめ、解説をコピペのように暗記してしまうと、初見の応用問題で苦戦するので注意してください。
③英文解釈(構文把握)
長文が読めない原因は”長文そのもの”ではなく、単語・文法・解釈の基礎に穴があることがほとんどです。
試合(長文)より先にドリブル・パス(基礎)をしっかり練習すると考えてください。
英文解釈の参考書としては、以下のようなものがおすすめです。
教材 |
特徴 |
どのような人に最適か |
---|---|---|
7時間英文解釈 | 「理解→演習→暗唱」までパッケージ。知識量を”削って”設計。 | 勉強が苦手/手順を示してほしい人向け。「最強」と講師が太鼓判。 |
肘井学『読解のための英文法・必修編』 | 講義調の説明+演習。 | 自分で取捨選択できる中・上級者。 |
動画でわかる英文解釈シリーズ | 映像授業付きで理解負荷が低い。 | 講義でじっくり納得したいタイプ。 |
英文解釈の勉強では、文の骨格(主語と動詞の関係など)を素早く見抜く練習が重要です。
この力がつくと長文読解でも、文章の流れをつかみやすくなります。
④学習サイクル例(基礎期の1ユニット)
基礎固めの時期には、単語・文法・解釈の3つを組み合わせた学習サイクルを繰り返します。
以下は、1日の勉強の例です。
- ① 単語:システム英単語 20語チェック
- ② 文法:時制を講義動画で理解 → 4択で演習 → 間違いをルーズリーフに追記
- ③ 解釈:7時間英文解釈 該当構文を音読暗唱
ここまでで”1セット”です。
翌日は復習+次のユニットへ進みましょう。
復習は、翌日・1週間後・1か月後に”全問即答”できるか確認するのがおすすめです。
【ここまでのまとめ】
- 単語はシス単を軸に、今の教材を無理に捨てない。
- 文法は「小さくインプット→即アウトプット」の往復。
- 解釈で”文の骨格”を読める状態にしてから長文へ。
- 教材選びよりも学習フローの守破離(守=王道手順を守る)が合格への近道。
このロードマップどおりに”基礎3本柱”を固めれば、長文読解は自然と伸びていきます。
まずは今日、単語20語+文法1セクション+解釈1構文のミニセットからはじめて徐々に伸ばしましょう。
では、次からは本格的に英検2級に合格するための勉強法について触れます。
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関東私大志望が英検2級に合格するための勉強法
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英検2級は2025年から新形式に変わるため、その変更点を理解したうえで対策を立ててください。
試験時間を有効に使うためには、問題形式の変更に慣れておく必要があります。
以下は、主な変更点です。
項目 |
旧形式 |
新形式(2025年〜) |
---|---|---|
総問題数(リーディング) | 38問 | 31問 |
文法問題 | 3題 | 0題(削除) |
長文内容一致 | 11〜 | 最大7題カット |
ライティング | 意見作文のみ | 意見作文+要約問題 |
この変更を踏まえた勉強法を見ていきましょう。
全体の流れ
英検2級の新形式では、要約対策が最優先になります。
削られたリーディング7問が丸ごと要約問題に置き換わったため、合否を決めるポイントとなります。
勉強するときは、リーディング→要約という一連の流れで練習するのがおすすめです。
ただ文章を読むだけでなく、「読んで要点をまとめ、英語で書き換える」作業をセットにしてください。
また、時間配分を身体に染み込ませることも重要です。
目安は「読解16分+執筆8分」。このリズムで過去問や模擬試験を繰り返し解いていきましょう。
ライティング(要約問題)
英検2級の要約問題では、「段落メモ法」と「パラフレーズ(言い換え)」のテクニックが役立ちます。
これらを身につけることで、原文の丸写しではない、自らの言葉でまとめた要約が書けます。
【段落メモ法】
各段落を読んだ直後に、日本語・英語どちらでも構いませんので、一行メモを書きます。
重要なのは、本文を写さず”自らの言葉”で書くことです。このメモ自体が要約の枠組みになります。
【パラフレーズ(言い換え)テクニック】
種類 |
例 |
使い分けのコツ |
---|---|---|
語の抽象化・一般化 | soccer → sports / smartphone → technology | 名詞レベルで一気にまとめると語数を削減しやすい。 |
構文ごとの変換 | “結婚相手” → someone to marry(名詞+不定詞) 元文が節なら句に、句なら単語に、といった形で階層を変える。 |
構造をいじると「本文コピペ感」を消せる。 |
段落と段落のつながりを示すときは、文の冒頭や途中で However(しかし)、Also(また)などの接続語を使うと良いです。
例を示す部分では such as(〜のような)、including(〜を含む)を活用するのも有効です。
最後に、採点4観点(各4点×4=16点)を意識してセルフチェックしましょう。
- 内容(要点を落としていないか)
- 構成/論理(段落ごとのつながり)
- 語彙・文法(誤り・レジスター)
- 語数順守(オーバー/アンダーなし)
日々のトレーニングの例
英検2級対策には、実践的なトレーニングの継続が欠かせません。
以下は、例に挙げたトレーニングのスケジュールです。
頻度 |
演習内容 |
ポイント |
---|---|---|
毎日 | 英字記事や長文を1本選び、段落メモ→要約80〜100語 を「16分+8分」でこなす | 読解力と要約力を同時に鍛える。 |
週数回 | 書いた要約を第三者(先生・友人)に見せ、4観点で赤入れしてもらう | 自力では気づきにくい語法・論理ミスを洗い出す。 |
不定期 | 要約が苦手な段落構造を日本語で要約し直し → それを英語に再パラフレーズ | 「日本語で整理→英語で変形」の順でコピーを防ぐ。 |
毎日少しずつでも触れ、定期的な復習を忘れないようにしましょう。
「段落ごとにメモを取り、パラフレーズ+論理語で再構築する」という”要約作法”を、16分読解+8分執筆のリズムで繰り返し練習してください。
英検2級に合格するために押さえたい6つのポイント
最後に、英検2級に合格するためには、以下の6つのポイントを押さえることが重要です。
- 継続的に学ぶ時間を確保する
- 4技能をバランスよく鍛える
- 過去問で試験形式に慣れる
- 弱点を徹底的に克服する
- 明確な目標を設定する
- 定期的に進捗を管理する
継続的に学ぶ時間を確保する
英検2級に合格するためには、毎日少しでも継続して学ぶことが何よりも大切です。
「試験直前にまとめて勉強する」という方法では、英語のような積み重ねが重要な科目では効果が薄いです。
勉強法を知っても、「こんなのやる時間がない」と思っていませんか?
キミが気づいていないだけで、スキマ時間は思った以上にあります。
1日たった30分でも、毎日続ければ、1か月で15時間の学習時間が確保できるはずです。
4技能をバランスよく鍛える
英検2級では4つの技能(読む・書く・聞く・話す)すべてが対象ですので、1つでも弱点があると合格が難しくなります。
得意な分野だけを集中的に勉強してしまう傾向がありますが、バランスが重要です。
毎週の学習計画を立てるときは、4技能それぞれに時間を割り当てましょう。
例えば、月曜はリーディング、火曜はライティング、水曜はリスニング、木曜はスピーキング、金曜は弱点強化、といった具合です。
過去問で試験形式に慣れる
過去問を解くのは、本番の試験で落ち着いて実力を発揮するための重要なトレーニングになります。
英検2級の問題形式や出題傾向、時間配分に慣れることが大切です。
最初は時間を気にせず、じっくり解いてみましょう。
その後、徐々に制限時間内で解けるように練習します。
間違えた問題は、なぜ間違えたのかを分析し、同じミスを繰り返さないようにしてください。
弱点を徹底的に克服する
英検2級合格への道のりでもっとも重要なのは、自らの弱点を正直に認めて、徹底的に克服することです。
受験者は得意な部分ばかり勉強してしまいやすいですが、それでは点数が伸び悩んでしまいます。
弱点が見つかったら、その分野に特化した参考書や問題集に取り組みましょう。
語彙が弱点なら単語カードを作る、文法が苦手なら基礎からやり直すなど、ピンポイントでの対策もおすすめです。
明確な目標を設定する
英検2級の合格に向けて「いつまでに・何を・どこまでできるようにするか」という明確な目標を設定します。
ただ漠然と「英検2級に合格したい」と思うだけでは、具体的な行動に結びつきにくいです。
長期目標は「3か月後の試験で合格する」、短期目標は「今週中に単語帳を50ページまで覚える」「今月中にリスニング問題を毎日10問解く」などです。
目標は紙に書いて見える場所に貼っておくと、日々の行動を振り返る際の指針になります。
定期的に進捗を管理する
英検2級の勉強では、定期的に自らの進捗状況を確認し、必要に応じて学習計画を見直してください。
「できなかったから」が言い訳になれば、いつまで経っても終わりません。
スケジュールを組み直し、改めてスタートする。これができない高校生がほとんどです。
本気で英検2級を目指しているなら、そして受験を乗り切るなら、スケジュールの作成と管理を徹底しましょう。
まとめ
英検2級合格のためには、基礎をしっかり固めてから実践的な対策へと段階的に進めることが重要です。
- まずは単語・文法・解釈の基礎3本柱を固める
- 4技能(読む・書く・聞く・話す)をバランスよく鍛える
- 新形式の要約問題対策を重視する
- 継続的な学習と定期的な進捗管理を行う
英検2級の勉強は一朝一夕にはいきませんが、正しい方法で着実に積み重ねていけば、必ず力はついていきます。
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英検2級に関するよくある質問(FAQ)
英検2級に合格するには何日勉強すればいいですか?
英検2級に合格するために必要な勉強時間は、現在の英語力によって異なります。英語が苦手な方なら200〜300時間程度、英語が得意な方でも100時間程度は必要と考えておくといいでしょう。
英検2級は1か月で合格できますか?
英検2級を1か月で合格するのは、すでに英語の基礎力がしっかりしている人でなければかなり難しいでしょう。英検準2級にすでに合格しており、日ごろから英語に触れる機会が多い方なら可能性はあります。
英検2級は高校生でも難しいですか?
英検2級は「高校卒業レベル」と位置づけられているので、高校生、高校3年生であれば十分に合格可能な難易度です。ただし、学校の授業だけで自然に身につく英語力ではないため、計画的な学習が必要です。
英検準2級はノー勉でも合格できますか?
英検準2級に「ノー勉」でも合格できるかは、現在の英語力に大きく左右されます。中学英語がしっかり身についていない方や、英語に苦手意識がある方は、やはり計画的な勉強が必要です。
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