【大学受験】離婚が高校生の受験に与える影響|悪影響の抑え方や離婚のタイミング
更新日: (公開日: ) COLUMN
離婚は子どもの学習環境や心理状態に影響を与える可能性があり、特に受験期の高校生にとっては重要な時期だけに、慎重な判断が必要です。家庭内の険悪な雰囲気が続くことで、お子さんの学習意欲が低下したり、精神的なストレスが蓄積したりするケースもあります。
そこで本記事では、受験期における離婚のタイミング、お子さんに与える影響と最小限に抑えるための方法を詳しく解説します。お子さんの受験と離婚について悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。
受験を控えたお子さんがいる場合の離婚のタイミングとは
あくまでも例ですが、2つのタイミングで離婚を検討されることをおすすめします。大切なのは、離婚を決断する際に「お子さんの将来」を最優先に考えることです。
まず、受験が終わってから進学までの期間です。合格発表後、新学期が始まるまでの期間であれば、環境の変化に適応する時間的余裕があり、新しい環境での新たなスタートと重なるため、心理的な負担も軽減されます。
次に、受験のない学年のタイミングです。高校1〜2年生など、直接受験に影響しない時期を選ぶと、お子さんが新しい環境に慣れる時間的余裕を確保できます。
多くのご家庭では、高校生の受験への影響を考慮して、成人するまで離婚を待つケースも少なくありません。ただし、DVなど緊急性の高い事情がある場合は、この限りではありません。
では、なぜ離婚のタイミングを考えなくてはならないのか。高校生のお子さんに与える影響から、あらためて考えてみましょう。
離婚が高校生の受験に与える3つの影響
高校生のお子さんの受験期における離婚は、以下の3つの影響が考えられます。
- 学力・学習意欲が低下しやすい
- 周囲からのいじめ・不登校のリスクがある
- 家庭の雰囲気が殺伐とする
※あくまでも参考程度にとどめ、双方の対話や結論に準じてください
学力・学習意欲が低下しやすい
まず、家庭内における両親の不仲や離婚の話し合いなどで落ち着かない状況が続くと、お子さんは勉強に集中できなくなりやすいです。
高校生の受験勉強は長期的な計画と継続的な努力が必要です。しかし、精神的なストレスにより学習意欲が低下してしまうと、計画的な学習が難しくなります。
また、転居を伴う離婚の場合は、学習環境の変化も避けられません。慣れ親しんだ学校や塾を変更せざるを得ない状況になると学習リズムも崩れ、成績低下につながるケースもあるでしょう。
周囲からのいじめ・不登校のリスクがある
残念ながら、現代社会でも母子家庭、父子家庭に対する偏見は完全に解消されていません。親の離婚をきっかけに、お子さんが周囲からいじめの標的にされるケースを完全に捨てきれないということです。
特に受験期は精神的にデリケートな時期であり、些細な言動でも深く傷つきやすい状態です。いじめによる精神的なダメージから不登校に発展してしまうと、学習の遅れが生じ、希望する進路を諦めざるを得なくなる可能性もあります。
家庭の雰囲気が殺伐とする
受験期の家庭は、通常でも進路の話題で緊張感が高まりやすいです。そこに離婚が加わると、両親の言い争いや、経済的な問題についての会話が増え、家庭内が一層ピリピリとした空気に包まれてしまいます。
このような状況では、高校生が受験勉強に必要な集中力や前向きな気持ちを保つことも難しくなり、結果として受験への影響まで懸念されます。
では、このような影響を最小限に抑えるために、親としてどのような対応を心がければ良いのでしょうか。次は、具体的な対処法について見ていきましょう。
離婚による受験への悪影響を抑える方法
受験期の高校生のお子さんの将来に大きく関わる受験期だからこそ、以下の4つを意識して離婚による影響を最小限に抑えましょう。
- 離婚のストレスを最小限に抑える
- 勉強に集中できる環境を作る
- 離婚をお子さんのせいだと感じさせない
- 経済的な不安を解消する
離婚のストレスを最小限に抑える
受験期における離婚や別居によって、環境の変化による不安や、家庭内のトラブルに巻き込まれることで、勉強への集中力の低下を招く可能性があります。どうしても離婚を選択せざるを得ない場合は、お子さんのストレスを最小限に抑える工夫が必要です。
例えば、塾の送り迎えなど日常生活のサポート体制をしっかりと整える、両親のどちらかが対応できない場合は祖父母等の親族のサポートを検討するなどです。可能な限り、現在の住居や学校を変更せず、これまでの生活環境を維持できるようにも配慮しましょう。
勉強に集中できる環境を作る
親御さん自身が離婚によるネガティブな気持ちに支配されてしまうと、お子さんに伝わり、さらなる不安を与えてしまいます。特に「このような大事な時期に離婚なんて」といった言葉は、心に大きな負担となりやすいです。
代わりに、「親同士の問題は私たちで解決するから、あなたは心配せずに勉強を頑張って」というメッセージを伝えましょう。両親が離婚後も変わらぬ愛情でサポートすることを示すことで、お子さんは安心して受験勉強に取り組むことができます。
離婚をお子さんのせいだと感じさせない
多くのお子さんは、親の離婚の原因を自分に求めやすいです。「自分の成績が悪いから」「自分の存在が重荷になっているから」など、自分を責めることで精神的に追い込まれ、勉強への意欲を失ってしまう可能性があります。
このような事態を防ぐため、離婚の理由について、お子さんの年齢や理解度に合わせた適切な説明をすることが大切です。高校生なら理解できるため、「親同士の考え方や価値観が合わなくなった」など、お子さん自身は原因ではないことを明確に伝えましょう。
経済的な不安を解消する
離婚後の経済状況の悪化は、お子さんの受験に直接的な影響を及ぼします。塾の費用や受験費用が捻出できなくなることで、志望校の選択肢が狭まってしまう可能性もあるためです。
このような事態を避けるため、財産分与や養育費について、きちんとした話し合いを行うことが重要です。必要に応じて弁護士に相談し、お子さんの教育費が確保できる取り決めを行いましょう。また、奨学金制度やひとり親家庭向けの支援制度についても、事前に情報を集めておくこともおすすめします。
このように離婚による影響を最小限に抑える努力をしても、高校生が抱える受験に対する不安は完全に消えません。そのような時は、受験のプロである塾の講師に相談してみるのも1つの方法です。
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お子さんの受験シーズンに離婚する際に気をつけたいこと
受験を控えたお子さんがいる状況での離婚は、以下の4点に注意を払うのが基本です。
- 離婚のタイミングを慎重に考える
- お子さんの気持ちを尊重する
- 親としてのサポートを継続する
- 周囲のサポートも活用する
離婚のタイミングを慎重に考える
受験期は高校生のお子さんにとって人生の重要な転換期であり、精神的にも不安定になりやすい時期です。受験直前の離婚は避け、もし可能であれば受験が終わるまで離婚を延期することを検討してください。
どうしても離婚が避けられない場合は、以下のような配慮が必要です。
- 受験勉強に集中できる環境を維持する
- 両親間の争いをお子さんの前で見せない
- 生活環境の変化を最小限に抑える
- 経済的なサポート体制を明確にする
冒頭でお話したように、受験が終わってから進学までの期間、受験のない学年のタイミングも1つの選択肢となります。
お子さんの気持ちを尊重する
離婚は親の決断ですが、影響をもっとも受けるのはお子さんです。高校生は何が起きているのか理解できる力が十分に備わっているため、対話の時間を持ちましょう。
- 一方的な説明ではなく、お子さんの意見や気持ちに耳を傾ける
- 離婚後の生活について具体的に説明する
- お子さんの不安や心配事に丁寧に対応する
などを踏まえて、離婚がお子さんの責任ではないことを明確に伝えておきましょう。それだけでも、心理的負担を大きく軽減できます。
親としてのサポートを継続する
離婚後も、両親がお子さんの受験をサポートする体制は必要となります。以下のような具体的なサポートを心がけましょう。
- 定期的な面会や連絡を通じた精神的支援
- 学習環境の整備と維持
- 受験に関する情報共有
- 必要な教材や学習費用の確保
特に大切なのは、両親が協力してお子さんの受験をサポートする姿勢を示すことです。高校生のお子さんが安心して受験に取り組めるように、無理なく支援を続けてください。
周囲のサポートも活用する
離婚に伴うさまざまな課題に対しては、外部のサポートも積極的に活用してみましょう。例えば、
- 学校の講師との密な連携
- 塾の講師への状況説明と協力依頼
- スクールカウンセラーの活用
- ひとり親支援制度の利用
などの支援を上手く活用することで、お子さんの受験生活をより安定したものにできます。また、親自身のメンタルケアも忘れずに行うことも忘れないようにしてください。
離婚と学習環境を塾で切り離すことも1つの選択肢
高校生は多感な時期であり、家庭環境の変化は学習に大きな影響を及ぼします。離婚による家庭内の緊張状態は、お子さんの集中力を著しく低下させ、学習意欲を失わせる原因となりかねないのはここまでお伝えしたとおりです。
このような状況下では、学習環境と家庭環境を明確にわけるのも1つの選択肢です。
- 家庭の問題から離れた、中立的な学習空間を用意できる
- 専門の講師による適切な学習指導を受けられる
- 同じ目標を持つ仲間との交流の機会を用意できる
- 定期的な学習習慣をつけられる
などのメリットがあるほか、家庭内が落ち着かない状況では、塾という「学びに特化した場所」の存在が、お子さんの精神的な支えにもなります。家庭では相談しづらい悩みも、第三者である講師には打ち明けやすい場合も少なくありません。
離婚という大きな環境変化の中でも、お子さんの学習機会を守るために、塾を活用した学習環境の確保を検討してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
離婚は、受験期の高校生に大きな影響を与える可能性があります。ただ、適切な対応と支援があれば、影響を最小限に抑えることもできるはずです。
大切なのは、お子さんの学習環境と心理的な安定を最優先に考えることです。以下のポイントを押さえて、支援体制を整備することをおすすめします。
- 受験直前の離婚は可能な限り避け、タイミングを慎重に選ぶ
- 両親間の対立をお子さんの前で見せず、学習に集中できる環境を維持する
- 塾を活用して家庭環境と学習環境を切り離し、安定した学習空間を確保する
- 金銭面での不安を解消するため、教育費の確保と支援制度の活用を検討する
- 両親ともに変わらぬサポートを継続することを明確に伝える
「離婚は親の問題であり、あなたは受験に集中してほしい」というメッセージを伝えること。また、塾との連携を密にすることで、お子さんの学習状況を客観的に把握し、適切なサポートを整えることもできます。
離婚という大きな環境変化の中でも、高校生のお子さんが前を向いて受験に取り組める状態を作りましょう。
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