関関同立志望に共通テストは不要?|単独型・併用型の違いや大学別の詳細
更新日: (公開日: ) COLUMN
大学受験を控え、関関同立を目指す受験生の皆さん、共通テストの活用に悩んでいませんか?「共通テストを受けるべきか、それとも個別試験に集中すべきか…」という迷いは、多くの受験生が抱える共通の課題です。
関関同立の入試では、共通テスト利用入試に独立型と併用型があるほか、そもそもその必要性はあるのかにも着目しなければなりません。そこで本記事では、関関同立における共通テストの利用方法や、各大学の入試制度の特徴を詳しく解説します。
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関関同立の共通テスト利用入試には独立型と併用型がある
関西の有名私立大学グループ、いわゆる「関関同立」の共通テスト利用入試には、「独立型」と「併用型」という2つの方式があります。
「独立型」は、共通テストの点数だけで合否が決まります。大学独自の試験を受ける必要がないので、共通テスト対策に集中できるのが魅力です。
一方、「併用型」は、共通テストと大学独自の試験の両方を受けて合否が決まります。両方の試験で良い成績を取る必要がありますが、得意な分野を生かせるチャンスが増えます。
ただし、気をつけてほしいのは、大学や学部によって、共通テスト利用入試で必要な教科や科目の数が違うことです。志望校の入試要項をよく確認して、必要な教科・科目を把握しておくことが大切です。
そもそも「共通テスト利用入試」とは?
共通テスト利用入試とは、大学入学共通テストの結果を用いて合否を判定する入試方式です。この方式は、高校での学習内容をしっかりと理解し、大学で学ぶにふさわしい基礎学力があるかを測るために実施されています。
共通テストは、以前のセンター試験と比べて、考える力や判断する力、自分の考えを表現する力を重視した問題が多いのが特徴です。関西の有名私立大学である関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学(通称:関関同立)でも、この共通テスト利用入試を取り入れています。
共通テスト出願の流れ
共通テスト利用入試の出願の流れは、以下のようになります。
- 受験案内を入手(9月1日から配布開始)
- 成績開示のための手続き(検定料、成績開示手数料を納付:9月1日から10月上旬)
- 志願票を作成(9月下旬まで)
- 志願票を提出(出願期間は9月下旬から10月上旬)
- 確認はがきが送られてくる(10月下旬)
- 2次試験募集要項が必要な場合は取り寄せる(11月下旬から12月中旬)
- 受験票などが送られてくる(12月上旬から中旬)
- 本試験受験(1月中旬から下旬の2日間)
出願期間や試験日程は大学によって異なる場合があるため、志望校の情報を早めに確認しておくことがポイントです。
一般的な共通テスト利用・併用の必要性
共通テストは、従来のセンター試験から進化し、より現代社会のニーズに合わせた試験となっています。知識だけでなく、思考力、判断力、表現力、そして他者と協力して学ぶ態度を評価することが重視されています。
このことから、共通テストの受験が必要なのは、主に以下の3つのケースです。
- 国公立大学を受験する場合
- 私立大学の共通テスト利用入試を使う場合
- 私立大学の共通テスト併用型入試を受験する場合
しかし、ここで注意したいのは、あくまで一般的な見解だということです。マナビズムでは、この点について異なる意見を持っています。
次項では、関関同立を目指す場合の共通テストの位置づけについて、より詳しく説明します。
関関同立を目指す場合は共通テストの優先度が低い
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マナビズムでは、関関同立を目指す受験生にとって、共通テストの優先度は一般的に低いと伝えています。私立大学志望者、特に難関私立大学を目指す学生にとって、共通テスト対策に時間を割くことが必ずしも効率的ではないという考えに基づいています。
もう少し詳しく、以下の5つに分けて見てみましょう。
- 共通テスト対策の効率性
- 共通テストのハードル
- 戦略的なアプローチ
- 私立大学対策の重要性
共通テスト対策の効率性
まず、共通テストと私立大学の個別試験では、求められる能力や対策方法が大きく異なります。
共通テストでは、限られた時間内で効率よく問題を解く技術が重視されますが、私立大学の試験では、より具体的で丁寧な理解が求められることも多いのです。
このため、共通テストの対策に時間を割くことは、私立大学志望者にとっては必ずしも効果的ではありません。むしろ、第一志望校の過去問演習や傾向分析に集中することが、合格の可能性を高める方法です。
共通テストのハードル
次に、共通テストのボーダーラインは高く設定され、多くの場合、85%から90%という高得点が要求されます。このボーダーラインは、私立大学専願の学生にとっては大きな負担となります。
一方で、私立大学の入試では複数の試験機会があり、単日ですべてを出し切る必要がある共通テストとは異なるアプローチが可能です。このため、共通テストに過度に注力することは、受験準備全体にマイナスの影響をおよぼしかねません。
戦略的なアプローチ
関関同立を志望する場合、共通テストの受験について慎重に考える必要があります。中には、実際に共通テストを受けずに、申し込みだけしておくという作戦を選ぶ受験生もいます。
万一のときの保険として共通テストを位置づけながら、実際の勉強は私立大学の独自試験に力を注ぐという考え方です。このような戦略を取る受験生は、自分の状況や目標に合わせて、効率的な受験準備を行えます。
私立大学対策の重要性
関西の有名私立大学、いわゆる「関関同立」を目指す場合、最も大切なのは各大学の独自試験への準備です。これらの大学には、それぞれ特徴的な問題の出し方や、求める学生の特性があります。そのため、志望する大学の過去の入試問題をしっかり調べ、その大学ならではの問題に慣れることがとても大切です。
つまり、関関同立を目指す受験生にとっては、共通テストの勉強よりも、志望校の独自試験対策に時間をかけることが合格への近道になることが多いのです。ただし、この方法が全ての人に当てはまるわけではありません。自分の実力や目標に合わせて、どのような勉強法が最適か、これをよく考えることが大切です。
とはいえ、関関同立の受験で共通テストを使うメリットも存在します。次では、メリットとデメリットを見ていきます。
関関同立の受験で共通テストを使うメリット
関関同立の受験で共通テストを使うメリットには、以下のようなものがあります。
- 複数の大学を受験できる
- 併願ができる
- 共通テストの受験料が安い
- 入試対策をしなくていい
共通テストの対策一本で複数の大学を受験できる点は、時間と労力の面で大きなアドバンテージとなります。
関関同立における共通テストのデメリット
一方で、関関同立における共通テスト利用入試にはいくつかのデメリットも存在します。
- 合格難易度が高くなる傾向にある
- 必要な教科数が多くなりやすい
- 募集定員が一般入試より少ない
募集定員が少ないことによる競争率の上昇は、受験生にとって大きな課題となります。共通テスト利用入試と一般入試のバランスを取りながら、合格の可能性を最大化することが重要です。
こう考えると、デメリットが大きく感じてしまうこともあるでしょう。だからこそ、共通テストよりも重要なことがあることに目を向けてみてください。
関関同立のような難関私大志望の場合で共通テストより重要なこと
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難関私立大学を目指す受験生は、受験スケジュールの上手な管理が大切です。12月の公募推薦の結果を踏まえて、次の対策を考えましょう。
もちろん、1月の共通テストを受けるかどうかは、個人の戦略次第です。とはいえ、最も大事なのは2月から3月の一般入試に向けて、第一志望校の過去問を解いたり、出題傾向を分析したりする時間を用意しておく方法は非常に有効です。
サッカーとフットサルが別の競技であるように、共通テストと個別入試も性質が違います。だからこそ、志望校の試験に合わせた準備が欠かせません。
限られた時間を最も効果的に使うことがポイントです。共通テスト対策にこだわりすぎるより、志望校の個別試験対策に力を注ぐ方が、合格への近道になるでしょう。
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□具体的に何から始めたらいいかわからない
□合格までの計画を立ててほしい
□1人で勉強を進められない
□勉強しているが成績が伸びない
上記に1つでも当てはまる受験生は今すぐ無料受験相談にお問い合わせください。
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関西大学の共通テスト利用入試について
関西大学の共通テスト利用入試には、主に以下の2つの形態があります。
- 関西大学の独立型共通テスト利用入試
- 関西大学の併用型共通テスト利用入試
関西大学の独立型共通テスト利用入試
関西大学の独立型共通テスト利用入試は、共通テストの成績のみで合否を判定する方式です。この入試には前期と後期があり、それぞれ以下の特徴があります。
試験時期 | 科目型 |
---|---|
前期 | 3・4・6科目型(学部により異なる) |
後期 | 2・3・4科目型 |
また、「英語外部試験重視方式」という特別な入試形態もあり、英検などの資格を利用して2科目型で受験できます。この方式は、英語力に自信のある受験生にとって有利な選択肢となるでしょう。
関西大学の併用型共通テスト利用入試
併用型共通テスト利用入試は、共通テストと関西大学独自の個別試験の結果を組み合わせて合否を判定する方式です。この入試方式の特徴は以下のとおりです。
- 必要な共通テストの科目数は2科目から5科目まで学部によって異なる
- 個別試験では多くの学科が英語を課しますが、一部の学科では数学・国語・理科の試験がある
- 英語の個別試験は、コミュニケーション英語I・II・III&英語論理・表現I・II・IIIの範囲から出題される
併用型の利点は、共通テストと個別試験の両方で自身の強みを発揮できることです。例えば、共通テストで高得点を取れなかった場合でも、個別試験で挽回のチャンスがあります。
関西学院大学の共通テスト利用入試について
関西学院大学の共通テスト利用入試には、主に以下の2つの形態があります。
- 関西学院大学の独立型共通テスト利用入試
- 関西学院大学の併用型共通テスト利用入試
関西学院大学の独立型共通テスト利用入試
関西学院大学の独立型共通テスト利用入試は、共通テストの成績のみで合否を判定する方式です。この入試には、1月出願と3月出願の2つの機会があります。
出願時期 | 受験可能科目数 |
---|---|
1月出願 | 文系学部:3・5・7科目 理系学部:5・7科目 |
3月出願 | 文系学部:3・4科目理系学部:4科目 |
さらに、「英語資格・検定試験活用型」という特別な受験方法も用意されており、CEFR B1レベル以上の英語資格を持つ受験生に有利な選考が行われます。
関連記事:セファール(CEFR)とは|お得ポイントと6つのレベルを徹底解説!
関西学院大学の併用型共通テスト利用入試
併用型共通テスト利用入試は、共通テストと関西学院大学独自の個別試験を組み合わせて合否を判定する方式です。
この方式では、共通テストの外国語・国語・数学・理科・地理歴史・公民のいずれかから高得点の2科目と、個別試験の英語・数学のうち1教科を選択して受験します。
ただし、理系学部では共通テストの地理歴史・公民を選択できないなど、学部によって若干の違いもあるので注意が必要です。この併用型入試は、共通テストと個別試験の両方で力を発揮できる受験生に適しています。
同志社大学の共通テスト利用入試について
同志社大学の共通テスト利用入試は、他の関関同立大学と比較してシンプルな構造を持っています。多くの学部で個別試験を課さず、共通テストの結果のみで合否を判定する方式を採用しています。
同志社大学の共通テスト利用入試についても、以下の2つの形態に分けて見ていきましょう。
- 同志社大学の独立型共通テスト利用入試
- 同志社大学の併用型共通テスト利用入試
同志社大学の独立型共通テスト利用入試
同志社大学の独立型共通テスト利用入試は、共通テストの結果のみで合否を判定する方式です。この方式の特徴は以下のとおりです。
特徴 | 詳細 |
---|---|
試験形式 | ほとんどの学部で共通テストの成績のみで判定 |
必要科目数 | 学部により3科目から5科目まで異なる |
得点要求 | 一般入試より高得点が必要(募集人員が少ないため) |
出願時期 | 1月中旬(共通テスト実施前)までに締切 |
この方式は、共通テストの対策に集中できるメリットがある一方で、高得点を取る必要があるため、バランスの良い学力が求められます。同志社大学の独立型共通テスト利用入試は、共通テストに自信がある受験生にとって効率的な受験方法といえるでしょう。
同志社大学の併用型共通テスト利用入試
同志社大学の併用型共通テスト利用入試は、理工学部、生命医科学部、スポーツ健康科学部の一部学科のみで実施されている方式です。この方式の特徴は以下のとおりです。
- 個別試験として、通テストに加えて大学独自の試験も課される
- 共通テストと個別試験の結果を合わせて合否を判定する
- 一般入試と共通テスト利用入試の両方にチャレンジできる
この方式は、特定の学部・学科を志望する受験生にとって、より多くの受験機会を得られるメリットがあります。併用型を選ぶ場合、共通テストと個別試験の両方の対策が必要になるため、計画的な学習が求められるでしょう。
立命館大学の共通テスト利用入試について
立命館大学の共通テスト利用入試でも、主に以下の2つの方式があります。
- 立命館大学の独立型共通テスト利用入試
- 立命館大学の併用型共通テスト利用入試
立命館大学の独立型共通テスト利用入試
立命館大学の独立型共通テスト利用入試は、共通テストの成績のみで合否を判定する方式です。この入試方式には、2月選考と3月選考があり、それぞれ以下の特徴があります。
選考時期 | 特徴 |
---|---|
2月選考 | 3・5・7教科型から選択可能、学部や学科によって必要な教科が異なる |
3月選考 | 3・4・5教科型から選択可能、2月選考よりも少ない教科数で受験可能 |
この入試方式のメリットは、個別試験を受ける必要がないため、受験にかかる時間や費用を抑えられることです。また、共通テストの対策に集中できるため、効率的な受験準備が可能です。
立命館大学の併用型共通テスト利用入試
立命館大学の併用型共通テスト利用入試は、共通テストと個別試験の両方を利用して合否を判定する方式です。この入試方式の特徴は以下のとおりです。
【文系学部(グローバル教養学部を除く)】
- 一般入試の英語・国語
- 各学部が指定する共通テストの科目
- 上記の総合点で合否を判定
【理系学部】
- 「数学重視型」と「情報理工学部型」に分かれる
- 数学重視型:独自試験(英語・数学)+共通テスト(理科・数学)
- 情報理工学部型:独自試験(英語・数学)+共通テスト(国語・数学のいずれかが高得点)
この入試方式のメリットは、共通テストと個別試験の両方で自身の実力を示せることです。自身の得意分野を生かしつつ、バランスの取れた学力を示すことが合格への近道となります。
まとめ
関西の有名私立大学、中でも関関同立を目指す受験生にとって、共通テストを使った入試は大切な選択肢の1つです。この入試には、共通テストだけで合否が決まる「独立型」と、大学独自の試験と組み合わせる「併用型」があります。
共通テストをうまく活用すると、受験のチャンスが増えたり、得意な科目で受験できたりするメリットがあります。ただし、難しい私立大学を目指す場合は、共通テストよりも大学独自の試験対策を重視した方がよいでしょう。
そして、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学は、それぞれ独自の共通テスト利用入試を設けています。自分の強みと志望校の入試方針をよく比べて、最適な受験計画を立てることが大切です。
マナビズムとしては、共通テストは関西の有名私立大学受験を補う手段として考えることをおすすめします。大学独自の試験対策をしっかり行いながら、共通テストの準備も並行して進めてください。
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□具体的に何から始めたらいいかわからない
□合格までの計画を立ててほしい
□1人で勉強を進められない
□勉強しているが成績が伸びない
上記に1つでも当てはまる受験生は今すぐ無料受験相談にお問い合わせください。
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