【2022年度】大学入試共通テスト 化学基礎・化学の難易度を徹底分析!

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2022年1月に大学入試共通テストが実施されました。
共通テストが導入されて2年目にあたる年であり、今までのセンター試験とどこが異なっているのか、難易度や傾向と対策を知りたい方も多いでしょう。

そこで今回は、化学基礎・化学の2科目に関してのセンター試験と異なる点やどのような対策をしていけばいいのかについてお伝えします。

※共通テスト全体の概要に関しては【2022年度】大学入試共通テスト 全科目の難易度を徹底分析!をご覧ください。

化学基礎

全体概要

共通テスト
試験時間/配点 60分/100点
大問数/解答数 大問数は2問、解答数は13個。昨

年の共通テストから回答数が2つ減少した。

出題形式 計算を要する問題は6つであり、第1問は小問集合形式、第2問は志向型の論理問題が出題されました。設問・グラフを読み取る力を要する問題も多く出題されました。
出題分野 第1問は化学結合や原子構造、貴(希)ガス、同位体に酸還元やイオン化傾向といったジャンルの問題が網羅されていました。第2問は「エタノールの性質と蒸留」がテーマです。
問題量 大問数が昨年と同じで解答数も減少したことから、前年度とほど変わらず。
難易度 易化  |  やや易化  |  昨年並み  |  やや難化  |  難化

共通テストの化学基礎は、解答に計算を要する問題は前年と同じで、基本的な形式に大幅な変更はありませんでした。しかし、共通テスト特有の読解力や思考力を問う問題もあったため、基礎知識尾徹底して身に付けたうえで演習を重ねておくと良いでしょう。全体的な難易度は前年度よりも易しくなったと言えます。

大問別分析

第1問 物質の構成、物質の変化

問1~3は正誤問題。それぞれオキソニウムイオンや貴(希)ガス、臭素に対する基本的な知識から判断のつくものでした。問6は酸の電離度および中和反応に関する問題で、濃度から物質量を求めます。問10の化学電池に関する問題では、電池にまつわる基礎知識を身に付けたうえでイオン反応式でしっかり計算ができたかどうかがポイントとなりました。

第2問 物質の変化

問2は思考力を要する設問で、エタノール・エタノール水溶液・水を用いたグラフから大小関係を読み取って解答する必要がありました。問3は蒸留に関する問題。蒸留の仕組み理解と質量パーセント濃度をしっかりと求められたかどうかがポイントとなりました。

2023年に向けての受験対策

共通テストの化学基礎は、基本的な知識を問う問題と思考力を問う問題の両方が出題されています。そのため、まずは教科書などで化学基礎の基本的な知識を覚えてください。思考力を問う問題はグラフや化学実験に関連させた設問が多いため、模試や過去問を使ってグラフの読み取りや化学実験をテーマにした問題に慣れるのが良いでしょう。

おすすめ参考書

共通テストの化学基礎で得点を稼ぎたい方に向けてのおすすめの参考書を紹介します。

「鎌田の化学基礎をはじめからていねいに」


<特徴>
化学基礎を習ったことがない人、苦手な人におすすめしたい参考書です。本書は大事な用語が赤字で書かれており、赤シートで隠しながら勉強することも可能です。図やグラフなどもあり、見やすく読みやすいのも特徴的です。

購入ページ:「鎌田の化学基礎をはじめからていねいに

「リードLightノート化学基礎」

<特徴>
本書は化学基礎の基本的な用語のインプットと、例題演習によるアウトプットが同時にできます。用語の重要事項を押さえた後に、その知識が具体的にどう問題に活用できるかを確認しましょう。化学基礎の基本的な知識を押さえていきたい人におすすめです。

購入ページ:「リードLightノート化学基礎

「ハイスコア!共通テスト攻略 化学基礎」

<特徴>
共通テストのポイントである読解問題と実験問題の攻略に焦点を当てた参考書です。特徴としては、マーク形式の試験に使える計算問題の解法テクニックが書かれています。共通テスト対策がしたいという方におすすめです。

購入ページ:「ハイスコア!共通テスト攻略 化学基礎

化学

全体概要

共通テスト
試験時間/配点 60分/100点
大問数/解答数 大問数5問と昨年と同じでしたが、解答数が33個と昨年より5つ個増加しました。
出題形式 計算問題が11題出されるなど、基本的な内容は2021年に引き続きセンター試験を踏襲したものとなりました。正誤問題も多く、基礎的な知識がインプットできる学習を積み重ねたかどうかが試験突破のカギとなりました。
出題分野 第1問は原子、第2問は化学変化や状態変化における熱量の問題、第3問はカリウムミョウバンと塩化ナトリウム、第4問は有機化合物、第5問は脂肪族不飽和炭化水素にまつわる問題が出されました。
問題量 問題量は2021年と同レベル。問題文を読解する必要のある設問も多かったため、時間がかかると感じる受験生も多かったでしょう。
難易度 易化  |  やや易化  |  昨年並み  |  やや難化  |  難化

2022年度の化学は、時間のやりくりを考えなければならない設問が多く見られました。たとえば、第4問の問4はカルボン酸の還元にまつわる問題で、還元生成物を1つずつ書き出す必要があり、第5問の問2ではa~dの問題がそれぞれ独立していることから読み解くのに時間がかかったという受験生も多かったでしょう。難易度は昨年並みですが時間を上手く使えたかどうかが試験突破のカギとなりました

大問別分析

第1問 物質の構造・状態

全体解答数は問1~問5。小問集合形式は変わらず、基本的な知識が身に付いていれば解答できる問題が大半であった。問3の気体の法則にまつわる問題では「モル比=分圧比」の計算問題があり、やや難しかった。問4は非晶質、問5は気体の溶解度に関する問題です。いずれもさほど難易度は高くなかったものの、用語や計算式についてきちんと整理しておく必要があった。

第2問 物質の変化と平衡

問1は物質の違いによる化学反応や状態変化についての設問、問2は水素イオン濃度、問3は化学平衡の法則、問4はエネルギー源として活用される水素にまつわる問題であった。第2問については物質の反応や計算式がきちんと理解できれば答えられる問題が多かったため得点源であったと言えます。

第3問 無機物質

第3問の問3ではセンター試験でもよく出題されていたアンモニアソーダ法にまつわる問題が出題されました。ほかにもイオンの基本的な性質について問われる問題や塩化アンモニウム水溶液の液性について述べる問題もありましたが、いずれも基礎知識があれば答えられるでしょう。ポイントとなったのは、物質量比を正しく読み取れる・反応式をきちんと覚えていたかです。

第4問 有機化合物、高分子化合物

第4問は全体を通して共通テスト特有の思考力や判断力が問われた設問でした。問1はハロゲン原子を含む有機化合物に関する問題でその場で解答できる。問2のフェノールのニトロ化・問3の高分子化合物の正誤問題はいずれも基本的な知識があれば解答できます。問4のジカルボン酸の還元問題では元素分析値を地道に書き出して答えられたため、落ち着いていればスムーズに対応できた。

第5問  熱化学、反応速度、有機化合物

問1では脂肪族不飽和炭化水素にまつわる正誤問題。問2は熱化学と反応速度が絡められた問題でアルケンのオゾン分解においてそれぞれが炭素数3の化合物であることに気付けたかどうかたポイントとなりました。グラフの読み取りや化学反応から物質の性質を特定できるかがカギとなりました。

2023年に向けての受験対策

化学の学習はまず、理論化学の分野をしっかり理解したうえで、その後無機化学や有機化学の学習に取り組みましょう。理論化学の理解は全ての土台となるので、早めに対策しておきたいところです。また、共通テストの化学は、思考力を問う問題の割合が増え、時間配分の仕方がとても重要になると思われます。確実に解けそうな問題をいかに落とさず取りきるか、そして解答に時間がかかる問題にどれだけ時間を割くのか、あらかじめ戦略を練っておくと良いでしょう。

おすすめ参考書

共通テストの化学で得点を稼ぎたい方に向けてのおすすめの参考書を紹介します。

「大学受験Doシリーズ」

<特徴>
化学を初めて勉強する人におすすめの講義系参考書です。このシリーズは化学の分野ごとに3つに分かれており、入試で問われる事項を効率よく学習できます。別冊にあるまとめを使って、通学時間や空き時間に復習することもできます。

購入ページ:「鎌田の理論化学の講義

「リードLightノート 化学」

<特徴>
化学の基本事項から入試の典型問題まで幅広く対応できる問題集です。アウトプット用の参考書としてかなり完成度が高いため、この1冊で出てくる問題をすべて理解できれば、共通テストでも高得点を狙えるでしょう。

購入ページ:「リードLightノート化学

「化学 基礎問題精講」

<特徴>
質の高い問題と充実した解説が載ってある参考書です。頻出の問題に対し、どのような解き方をすればいいのかについて詳しく書かれています。基礎と書かれていますが、難易度は国公立2次試験や難関私大レベルなので、共通テストの化学で高得点を狙いたい人におすすめです。

購入ページ:「化学基礎問題精講

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