為近の物理基礎&物理 物理問題集 All in ONEの効果的な使い方
更新日: (公開日: ) PHYSICS
為近の物理基礎&物理 物理問題集 All in ONEの効果的な使い方
これ1冊でアウトプットの完成!
概要と使用法
代ゼミの超人気物理科講師である為近先生が出した最新作の参考書となっている。(2015/09/27時点)
本書の醍醐味は何といっても「All in ONE」つまり、本書で物理に必要な問題をすべて終えてしまおうという目的の元にかかれた理想的な参考書なのだ。
従来の物理の勉強法といえば、自分の実力を把握して、その実力に見合った参考書・問題集に取り組み、また実力が上がれば更なる上のレベルの参考書に取り組む。といった勉強が主流となってきていた。
(たとえば、「物理のエッセンス」→「良問の風」→「名門の森」という流れや、「学校準拠用問題集」→「重要問題集」といった流れがよくある物理の参考書の流れだろう。)
なおかつ、そういったルートで勉強をこなしても、単元ごとの得意不得意は必ず出てくるもので、人によっては「力学は簡単に終えれたけど、電磁気が…」という人や「力学は厳しいけど、波動は得意だからサクサク進む」という人ももちろんいるだろう。
こうなれば、上で挙げたような参考書のルートに単元別に特化した参考書を使用するなどして、苦手を克服(あるいは得意に)する必要がある。
お分かりだろうか?
物理とは、最も参考書の数を要する科目といっても過言ではない。
なおかつ自分の実力にベストマッチした参考書を選ばなければいけない。
要するに参考書を選ぶだけでも一苦労するのが物理というものだ。
そういった、受験生の悩みを一気に解決する参考書、それが本書「為近の物理基礎&物理 物理問題集 All in ONE」なのだ。
前置きが非常に長くなったが、実際に詳細に入っていこう。
All in ONE とは!?
直訳すると「すべてを一つに」といったところだろう。
その直訳の通り、「物理で必要とされる問題数をすべてこの1冊にまとめあげた」参考書なのだ。
もちろん、その分厚みはあるが(数学で有名なチャート式程度)、それでも物理で必要な問題をすべてこの1冊に1700円程度でまとめてくれているので価値は十分すぎるほどだ。
普通に自分の実力に合わせて問題集をそろえようとすると、1000円~の問題集を最低でも3冊程度こなす必要があるのでコストパフォーマンス的にもこちらの参考書のほうが優れているのは一目瞭然だろう。
具体的に「物理で必要とされるすべて」とは何か?
先ほど、All in ONEとは「物理で必要とされるすべて」をこの1冊にしていると述べたが、もう少し具体的に話そう。
まずは単元についてだが、もちろん全単元含まれている。
力学・電磁気・波動・熱・原始とこぼれが無いようにきちんと新課程に対応して収録されているので安心してほしい。
そして、こちらが本命だろう。
「全レベル対応」ということである。
具体的には、「入試基礎~難関国公立」という驚きのカバー率である。
入試基礎とは、おそらく学生諸君が学校の定期テストで出されるちょっとひねられている問題レベルだ。
つまり普通に定期テスト勉強していれば解くことのできるレベルから、難関国公立にも対応することのできる問題を本書1冊でまとめてくれているのだ。
まさにこの1冊以外は何も購入する必要はないと言えるだろう。
本当にこの1冊でいけるのか?
率直にいえば答えは「NO」だ。
がっかりするかもしれないが、それはインプットのことを考えたうえでの解答だ。
冒頭にも述べたが、本書はアウトプット系の参考書つまり演習書だ。
アウトプットの前にすることは何であろうか?もちろんインプットだ。
このインプットに関しては、別途参考書が必要であろう。
そして、インプットが終われば、受験中期からは本書1冊のみをひたすら取り組めばいい。
つまり、為近先生も仰っているAll in ONEとは「物理で必要なアウトプットの問題のすべてを本書1冊にまとめた」ということだ。
普通は、インプットが終われば
①アウトプット系最初の1冊と呼ばれる簡単な参考書
②入試基礎レベルのアウトプット系参考書
③入試標準レベルのアウトプット系参考書
というようにたくさんの参考書を段階を踏みながら購入していく必要がある。
それを考えただけだけでも、本書1冊でアウトプットすべてをまとめてくれているこの本は素晴らしいと呼べるだろう。