志田晶の複素数平面・式と曲線が面白いほどわかる本
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複素数平面・式と曲線が面白いほどわかる本
1.複素数平面・式と曲線が面白いほどわかる本の概要
東進ハイスクールの人気数学講師「志田晶」先生が、高評価の前作「行列・1次変換・いろいろな曲線」につづいて、新しく数学Ⅲの単元として扱われることになった「複素数平面」と「式と曲線」について執筆された。
医学系・理工学系の数学(いわゆる理系数学)の問題は、半分以上が数学Ⅲからの出題で、そのほとんどが「極限」「微分法」「積分法」に関する出題だ。
したがって、数学Ⅲの学習は、自然とこの「微分積分」に重点を置いた形となる。
それにともない、「複素数平面」「式と曲線」の対策は後手になりがちだが、実際の入試で出題される「微分積分」の問題で使用される関数は「式と曲線」の単元で学習するものも多いし、「ベクトル」と「複素数平面」の融合問題で合否が決まることも少なくない。
つまり、理系受験者にとって、「複素数平面」「式と曲線」を攻略することが、志望校合格のカギといっても過言ではない。
本書は「複素数平面」「式と曲線」について、入試基礎~応用レベルの知識・問題をくわしく解説した参考書である。
教科書を一通り終えていれば、この単元の入試対応力を最短経路で導ける。
2.複素数平面・式と曲線が面白いほどわかる本の詳細
対象は、難関私大以上を志望とする理系生徒だろう。
関関同立・MARCHレベルの難関私大は本書1冊で複素数平面・式と曲線については申し分ない。
ただ国公立を志望とする生徒は、ワンランク上の参考書(1対1対応の演習など)に取り組んで欲しい。
カテゴリは基本パターンを身に付けるのでインプットとする。
使用時期は夏休みに使うのがベストなタイミングであろう、
また学校と並行して使うのもおススメだ。
3.複素数平面・式と曲線が面白いほどわかる本の使い方
- 1.まずは熟読
- 2.巻末の問題に取り組む
- 3.問題をマスターするまで繰り返せ。
の3つである。
まずは、知らないこと、わからないことばかりだと思われるので、しっかりと読んで理解する。
ただ読むだけにならないように、ペンを持ち、実際に手を動かしながら読む。
1周終えると、次は巻末の問題集に何も見ずに取り組んで欲しい。
そして、間違えた問題にはしるしをつけ、しるしをつけた問題だけに3周目として取り組んで欲しい。
4.複素数平面・式と曲線が面白いほどわかる本の総評
この本は全くの初学者という人に向けて書かれてはいない。
教科書などを読み、それでもよくわからない部分がある場合、この本を利用してほしいと書かれている。
しかし、この本の導入はとても丁寧であり、類書にありがちな、「問題を解く方法を訳も十分に説明せず覚えさせる」という方針で書かれてはいない。
数学の構造を考えもせず、解き方を暗記する人にとっては、初めは自分の考え方が稚拙に感じ、必要以上に反感を感じるのではないかと思う。
内容は必要以上のことが書かれている。
教科書を流し読みした後、この本で勉強して万が一わからない部分があれば、それは本人の責任であると断言できるくらいには丁寧でわかりやすい。
この本をしっかり読み込み、数学の考え方・構造を理解した後は、自分の志望校の過去問に移行すればいいだろう。