タテから見る世界史の効果的な使い方
更新日: (公開日: ) WORLD-HISTORY
タテから見る世界史の効果的な使い方
1.タテから見る世界史の概要と使用目的
この参考書は通史学習にもうってつけですが、一度通史を終えた後に読むのがより効果的だと思います。模試直前など時間が無い時でも充分読み終わる分量なので短い時間で全時代全地域の復習が可能であり、手元に一冊あると総復習の際にとても便利です。
内容としては各国史や地域史の流れのエッセンシャルな部分を解り易く凝縮してあり、なかなか対策が行き届きにくい主要国以外の地域史に穴が出来にくくなります。参考書のレベルですが、あくまで基礎基本レベルで、網羅性を追求するものではありません。世界史に自信を持っている人には少々物足りなく感じるかもしれません。
世界史Bを学ぶときに頭がゴチャゴチャになるのは、地域と年代を完全に把握できていないという場合が多いのですが、この本は地域史、各国史の一つ一つを流れにそって、まとめて見て行くので、まさしくタテの流れを正しく理解できます。
そしてこの本のいいところはきわめて簡潔なところと、各国別・地域別になっており、地図による説明があるので世界史の歴史事象がどこで起きているのかが理解できる点にあります。
2.タテから見る世界史の具体的な内容
この参考書は、高等学校の世界史の学習と並行しながら予習・復習を行ったり、ひととおり世界史の学習を終えた後の総復習を行うことに適したつくりとなっています。
この本は地域史、各国史について非常にわかりやすくまとめてあるのでひと通り該当箇所を学習したうえで理解を深めるために補助教材として使用すると該当箇所のイメージが深まり記憶が強化されます。
様々な分野の解説がありますが、試験でいっそう差がつくマイナー分野の解説が有益だ。但し、他のレビューでも度々記載されているがこの本だけで網羅的に、つまり全体的な世界史の知識が抑えられるわけではないのでその点は留意しておきましょう。
学校の授業や予備校の講義や解説本、自習で世界史の流れをつかみ、まずはそこで骨格を作り、そのあとで理解を深めるためにこの本を利用するのが無難な使用法ではないでしょうか。それから仕上げとして各国別世界史ノートや世界史用語集を使用してきちんと理解し、解説や用語の抜け落ちをなくせばよいでしょう。
また100年毎で大まかに時代区分で世界史を理解したいのならばヨコから見る世界史も読んでおく(こちらも網羅系ではなく理解系の編集ですので使用法に気をつけてください)とさらに理解が深まるはずです。
3.タテから見る世界史の使い方
まずこの参考書は世界史初学者には向いていないといえます。 世界史における詳しい流れなどは省略されているので、“最低限”の知識を持った上で買うのが望ましいでしょう。 “最低限”とは、受験生ならセンター過去問で常に6割以上取れる程度のことです。この参考書を完璧にしたらセンター試験で8割以上は堅いはずです。
そして、赤シートが付いていますが、それは別冊専用のものですので把握しておいてください。
それから、メインの方の文字は青色なので付属の赤シートでの暗記はできませんのでここも一応知っておきましょう。暗記をするつもりなら緑マーカーやチェックテープを用意しておくと上手く消して隠して覚えることができます。
また、端末にある各国整理カードをコピーして使っていきましょう。これだけで古代から現代までの流れをチェックできます。時間がないならこれを有効活用していくべきです。
4.タテから見る世界史の注意点
センターレベルではない難しい語句も出てきますので、センターレベルかどうかの判断がつかない人は余計なことを覚える可能性がある点もウィークポイントの一つです。 よって、単語を見てレベルの判断がつかない人は、(まだまだ勉強が足りていないので)買わない方がよさげです。
そして、前後関係の説明、解説が少ないので覚えるなら丸暗記になってしまう点にも注意が必要です。
後はやはり、情報量の少なさです。冒頭にも記されていますが、この参考書一冊で世界史の流れや歴史事象等を学習するのは難しいです。
ナビゲーター世界史や詳説世界史Bを使って通史を学んだ後にこの参考書を確認として使うことをすすめます。
上記にもありますが、この参考書なら短時間で一通り復習することができますので、時間が無い場合はこちらで総復習をしていくとよいでしょう。