オンリーワン世界史完成ゼミの効果的な使い方

１．オンリーワン世界史完成ゼミの概要と使用目的

 

この参考書は合格圏突破ゼミの新課程改訂版です。
流れを理解するための参考書というよりは、問題集に近いものです。
問題形式は記号穴埋めが中心ですが記述問題も扱っていますので、国公立大学や早稲田や慶應のような超難関私大にも対応できるレベルです。
やはり難関大学にまで対応しているだけあって、扱っている問題のレベルの質は良いといえます。
ただし、文化史がほとんど扱われていないのがマイナスな部分です。
そして解説ですが、そこまで詳しいというわけではないけれども、世界史の様々な歴史事象におけるポイントをしっかりと押さえたものになっています。
このように、世界史を一通りやった人の演習書として優れており、やり方としてはノートに解いてみて、間違ったところだけやり直せば十分でしょう。。
同じ佐藤氏の本では一問一答は多少難しすぎなところがいくつか散見され、頻出問題解法は問題集としては情報量の面から見て欠けるのでこちらのオンリーワンがオススメです。
 
 

２．オンリーワン世界史完成ゼミの具体的な内容

 
この問題集は世界史の知識をアウトプットするための参考書であり、世界史の知識をインプットし終えたところから、この参考書を用いてアウトプットに移っていってもらうのが理想的です。
テーマごとに問題が設けられているので、学習しやすく、自分がインプットできていないテーマや、苦手なテーマを発見し次の世界史学習に役立てていくことができます。
そして、解いた問題は必ず復習をし、間違って覚えていた知識などは講義系参考書に戻って再度インプットをおこない、頭に正しい知識として入れておきましょう。
また、各テーマや要点ごとに覚えておきたい知識や通史の流れが書かれている箇所があるので、その部分はインプットしておくとともに、一元化しておきましょう。
後から繰り返し何度も確認することができます。
難関大学向けの世界史の問題演習として最初にこなしたい参考書の一つであり、センターレベルの基礎が終わった人はこの参考書を解いてみてよいタイミングにいます。
世界史の場合、通史を頭に入れておくことが非常に重要ですので、問題演習をしながらもインプット用の「ナビゲーター世界史」や「詳説世界史B」を使い、常に復習を心がけながら学習を進めていきましょう。
また、この問題集は入試に出る要点がはっきりしているおかげで模試や入試本番で高得点を狙うことができます。早慶上智をねらう人にも基礎固めとしてはもってこいでもありますので、購入した際は有効活用していきましょう。
 
 

３．オンリーワン世界史完成ゼミの使い方

 
教科書の内容がとりあえず頭に入っているレベルでまず何か問題集を解くとすれば本書に取りかかってみてもよいでしょう。
実際の入試問題からの抜粋とオリジナル問題とがあり、教科書の流れを追いながら問題を解ける作りになっています（一問一答形式の問題も載っています）。
教科書・用語集→本書→Z会などの高度なレベルの知識を問う問題集→赤本の順に全単元を終わらせていくことによって通史の基礎力が付いていきます。
文化史・テーマ史については問題が割愛されていますので、同じ著者の問題集か他の問題集で覚えておくなり解くなりする必要があります。
また、図表問題（地図上の位置を問う問題など）はほとんどないので、これも別の問題集等で演習を重ねる必要があるでしょう。
全体としての評価ですが、通史の問題集としてはかなり出来の良いものであることは間違いありませんので、世界史の「読むだけ、講義系」参考書（ナビゲーター世界史や詳説世界史B）でだいたいの流れをつかんだら、この書籍で早速実力を試してみましょう。
実際の入試問題から重要度の高いものをいくつかピックアップしてあるので、自分の弱いところ、理解しきれていないところが如実にあらわれます。
そこから解答を覚えるまで同じ問題を繰り返し解いていく方法のがオススメです。
 
 

４．オンリーワン世界史完成ゼミの注意点

 
この参考書も問題集ですので、世界史通史の勉強をこれ一冊ですることはできませんのでそこは理解しておいてください。
世界史の学習が進んできてから、学力をはかるために使用していくべきです。
そして、文化史がほとんど扱われていない点が残念なところであります。ですので、文化史については他の問題集を用いてそれを完璧にしてください。
また、回答・解説は問題集の後に付いているのですが、取り外しができないことも知っておいた方がいいのではないでしょうか。
細かな事ですが、取り外しができる方が扱い易いはずです。
そういった点で考えるとこの参考書は少々不便かもしれません。
何度もページを行ったり来たりするのではなく、別冊子として取り外しできるようにして参照を楽にすることができればなおよい参考書になるのではないでしょうか。
最後に、世界史の勉強において注意して欲しいことですが、「いつ、だれが、どこで、なにをして、どうなったか」までを一連の流れとして覚え、どういう形で問われても答えられるようにしておきましょう。