出口の好きになる現代文論理入門編
更新日: (公開日: ) JAPANESE
1.出口の好きになる現代文論理入門編の概要と使用目的
読解の指南書
[出口の好きになる現代文論理入門編] は、入試現代文を読み解く上で不可欠な読解法を学ぶ参考書です。読み取った文章のヒントをどのように扱えば点数に結びつくのかといった実践的な内容になっており、出口先生の他の問題集に比べると、演習よりもやや知識をインプットする形式に寄った問題集であるといえます。
2.出口の好きになる現代文論理入門編の具体的な内容
本文のヒントとなるところにマークを残し、必要な箇所は書き抜いて後で記述解答に利用するといったテクニックは入試現代文にとってなくてはならないものです。
制限時間内に本文からどれだけ多くの情報を吸い出し、使いやすく整理することができるかで、得点は大きく変わってきます。
読解のノートを作ることの重要性については疑いの余地はないでしょう。
しかし、多くの受験生が躓くのもまさにこの、読解ノート作りなのではないでしょうか?
塾や予備校で授業を受けているときはあたかも本文の内容が全て理解できているような気がする。
でも、家に帰って見返したら、なんだかうまく思い出せない。
先生の説明を聞けばなんてことない問題なのだけれども、自分でうまく解くことができない。
現代文を学習し始めた受験生がまずぶつかるのがこの、授業と自習の間にある越えがたいギャップでしょう。
教科書の解説や問題集も同様に、読めばすらすら出来るけど、実際に自分が問題をなんの手がかりもなく進める段になるととたんにわからなくなってしまう。
結果的に、普段自分が困ったときについついやってしまう「なんとなく解答する」ということを選びがちに・・・。
これは全て読解のノートが上手に作ることができない故に生まれてしまう問題です。
本書では、読解の着眼点からノートの作り方まで、自分がいざ問題と格闘するときどのようなアクションをとるべきなのかを体系的に学ぶことができます。
入門レベルの章末問題が6題収録されているため、ただノウハウを覚えるだけでなく、覚えたことを本文で試して定着させるアウトプットまで本書一冊で済ませることができます。
授業は理解できるけど、自分でうまく解けない。そんな受験生にお勧めの一冊です。
私大入試というタイトルがつけられていますが、国公立入試で問われる形式もカバーできる内容になっています。私大受験の傾向に思い切り沿った参考書というよりは、現代文の初級から中級へのレベルアップとして使用すれば良いかと思います。
3.出口の好きになる現代文論理入門編の具体的な使い方
1.各章で与えられた課題を意識しながら例題に取り組む。
自分の答えが正解と違っていた場合は、ノウハウをきっちりと理解できていないということ。
すぐにノウハウが紹介されている箇所に戻って、理解するまで次の項目には進まない。
覚えにくい箇所は必ず付箋を貼ったり、線を引いて後からわかるようにしておくこと。この一手間が、学習効率を大幅に高めてくれる。
2. 現代文は英単語のように一問一答でノウハウが存在しているわけではないため、そのノウハウを本文中でまずはどのように使用するかを学ばなければならない。
何かを学ぶというよりも、新しい習慣を身につけるといった方がより近い。
新しい習慣を身につけるためには自分が前の日に学習した内容をしっかりと思い出してすぐに使える状態にしておかなければならない。
そのため、次の項目に進む前に、必ず前日に演習した箇所を振り返り、復習してから次へ進むこと。
3. 巻末に収録されている練習問題に取り組み、学習したことがきちんと身についているかをチェックする。
間違いが多かったり、どうやって問題にアプローチするかわからない問題があったとすれば、インプットがまだ不十分だということ、1の箇所でマークしておいた項目や、間違いの多かった項目に関連するテクニックを復習する。
復習までおわらせて初めて、現代文の学習を行ったと考えるようにしよう。問題を解きっ放しにしていたり、ノウハウをしっかりと覚えていない場合は勉強したとは言えない。
4.出口の好きになる現代文論理入門編の注意点
インプットした知識を試すことのできる問題の数が少ないので、この問題集と併用して演習用問題集[標準現代文[実践演習]や[入試精選問題集7 現代文]を解くようにしましょう。
どれだけ記憶が良い人でも、学んだ知識を頭の中にためているだけではなんの役にも立ちませんし、実際の問題で試して初めて知識は血となり肉となります。
学んだことは必ず試す。この一手間を惜しまないようにしましょう。