【化学編】立教大学の入試対策・オススメ参考書
更新日: (公開日: ) RIKKYO
はじめに
本記事では立教大学の化学の傾向と対策、合格するための勉強法について紹介します。立教大学は東京都豊島区西池袋に本部を置く日本の私立大学です。キャンパスは池袋キャンパス (東京都豊島区西池袋)、新座キャンパス (埼玉県新座市北野)の2つで、10学部27学科が設置されており、2万人を超える学生が学ぶマンモス校となっています。
首都圏の主な難関私立大学を指すMARCHの『R』の部分を占めている大学です。偏差値としては55.0~67.5で、就職・進路決定率は84.3%となっています。
立教大学の入試の中で化学を採用している学部は理学部の一部の入試方式のみです。過去問演習の際はさまざまな古い年度のものや受験予定以外の入試形式のものも使用し、演習慣れをすることをオススメします。
入試形式
- 試験時間:75分
- 配 点:100,150点(学科、入試形式による)
- 目標点 :7割
- 問題数 :19問(空欄数)
- 形 式:マークシート方式、記述式
- 構 成:大問5題
入試傾向と対策
それではこれから立教大学の化学の傾向と対策について紹介していきます。解答形式については全てマークシート方式と記述式の併用で変わりないものの、出題される分野や範囲が大問ごとに固定されているわけではないため、傾向に沿って具体的な対策を説明していきます。まず、立教大学化学にみられる大きな3つの特徴は以下のようになっています。
①あらゆる分野から標準~応用レベルの問題が出題される
②理由を書かせる記述問題が出題される
③計算問題が多く出題されている
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。
①標準~応用レベルの問題が出題
立教大学の化学で出題される問題は幅広い分野から入試標準~応用レベルの問題が出題されます。そのため難問ばかりに手を出しすぎることなく、基本レベルの問題から丁寧にこなしていくことで合格をめざすことができます。化学に抵抗を感じていない受験生は飛ばしてもよい段階ですが、高校化学初学者や化学に苦手意識を持っている人は「橋爪のゼロから劇的に分かる!」シリーズをおすすめします。(無機・有機化学編と理論化学編がある。画像は無機・有機化学編)
<特徴>
この参考書は、学校の教科書レベルの知識の理解をより正確にし、自分のものにしていくためのものです。化学をこれから初めて勉強する人や化学に苦手意識をもっている人、試験で点が伸び悩んでいる人におすすめの参考書シリーズです。予備校の超人気講師の橋爪健作先生が、まるで授業と同じように、はじめからていねいに説明しているため無理なく学習を進めることができ、基礎力がしっかり身につきます。2冊共に取り組むことで、立教大学の受験に必要な化学の全範囲を網羅することができます。
しかし、これは問題集ではなくあくまでも解説書・参考書であるため、ある程度の基礎知識と解法が身についたら演習量を確保するために別の問題集を使用するようにしましょう。
<使用時期>
化学初学者や化学に苦手意識を持っている人は、受験勉強開始と同時にこの参考書に取り組み始めましょう。(化学に特に抵抗のない人は飛ばしてもよい。)具体的な使用時期として、2月に無機・有機化学、3月に理論化学に取り組むことが望ましいです。
②理由を書かせる記述問題が出題
マークシート方式と記述式が併用されていることが大きな特徴ではありますが、さらに記述式解答問題の特徴として特定の水溶液を使わなければならない理由を「書く」ことを求められる問題が出題されます。
ここでは、自分で実際に手を動かして式を書く演習をすることでそれらの問題に慣れる必要があるため、日頃からセンター試験のような選択肢が与えられている問題ではなく自分でイチから答えを作成する演習を積むことが重要です。そのためにおすすめの参考書は「全レベル問題集」シリーズです。普段の定期テストのための学習レベルから難関大学入試レベルまで様々な段階を網羅している参考書シリーズとなっています。
<特徴>
全レベル問題集という名の通り、シリーズ全体で教科書レベルの基礎~難関大学入試レベルまでをカバーした問題集シリーズとなっています。「化学基礎」と「化学」の両方で学習する重要事項・考え方のポイントを無理なく学習できるように作られています。また、理論・無機・有機化学が1冊の問題集にまとまっており、体系化されていることも大きな特徴の1つです。ここでは、「1.基礎レベル」と「2.共通テストレベル」をおすすめ参考書として提示します。ここまで終えた受験生は、次のレベルに上げていくために、別の参考書を用いてこれらの出題形式以外の問題に取り組むことをおすすめします。
<使用時期>
教科書や前出の「ゼロから劇的にわかる!」シリーズを一通り終え、インプットは済んだ状態でこの参考書に取り組み、アウトプットの練習として取り組むようにしましょう。また、少しでも分からないところや理解が不十分だと感じるところがある場合は教科書や参考書に戻り、理解の穴をそのままにしないことが重要です。具体的な使用時期としては、4月に1,基礎レベル、5月に2.共通テストレベルまでを終えておくことが理想的です。
これらの参考書を終えた後は、「化学頻出!スタンダード問題230選」に取り組み、入試基礎レベルから立教大学で出題されることの多い標準~応用レベルへのステップアップをはかりましょう。
<特徴>
全国の大学入試で頻出かつ重要なテーマのみが厳選され、17章にまとめられている問題集です。各設問には小問題ごとに星の数で難易度が表記されているため、解き終わった後に自分がどのレベルまで理解できているのかといった理解度チェックを簡単にすることができます。解説が丁寧であることも大きな特徴の1つです。
<使用時期>
学校の教科書レベルの知識習得と演習をある程度終えた6月から、入試基礎レベルを標準レベルに引き上げるために取り組みましょう。2カ月程度で1冊を完璧に仕上げることが理想的です。問題数が少し多いため、学校の授業と並行して日常的に取り組むことをおすすめします。
③計算問題が多く出題
立教大学の化学では毎年、計算を必要とする問題の出題が必ずあります。計算問題は問題を解くために必要な情報を整理し、それを自ら求める力が必要になります。その力を養成するためにおすすめの問題集が「重要問題集」です。
<特徴>
入試基礎・標準レベルから最難関レベルで構成された問題集です。A問題は入試で頻出かつ間違えると周りとの差が生まれてしまう落としてはいけない問題、B問題は思考力と計算力が必要とされる少し複雑な問題が多くなっています。学校の化学の教科書の知識を土台とし、化学基礎と化学を無理に区別せず一貫して総合的に学習できるように構成されていることも大きな特徴の1つです。
各項目は、「要項」「問題」の2つから構成され、さらに問題はレベルごとに「A」「B」の2段階に分類されています。そのため自分の理解度チェックが容易にできます。解答編は、左段の解答・解説、右段の傍注(解答・解説の補足)で構成されているため非常に分かりやすいことも大きな特徴の1つです。
<使用時期>
立教大学の入試問題に対応するためには、最低限としてA問題を確実に正解できるようにしておくことで十分であるといえます。そのため8月~10月の3カ月をかけてA問題以上は完璧にするようにしましょう。
ここまで取り組んだ受験生は「立教大学理学部の赤本」に取り組み、より実際の入試を意識した演習に取りかかるようにしましょう。
<特徴>
実際に立教大学理学部の一般入試で出題された問題が3年分掲載されています。合格者の最低点などの入試情報が詳しく掲載されていることも大きな特徴の一つです。また立教大学の一般入試の赤本の場合、ほとんどが学部ごとに分かれて出版されているため、受験予定学部・学科に特化したより細かい情報を手に入れることができるのも特徴の1つです。
<使用時期>
今までに紹介した参考書や問題集などで十分な演習を積み、11月ころから入試本番に向けて取り組みはじめるのが理想的ですが、まだ解法のパターンが身についていないと感じる・問題を見たときに即座に解法が浮かばない受験生は学校の教科書や今までに使った参考書などに戻って、基本事項の理解に穴がないかを今一度確認するようにしましょう。
まとめ
※2月から受験勉強を始めた際の年間スケジュール
大問ごとの傾向と対策について紹介してきましたが、1年間の勉強の流れとしては上記の流れになります。
まず始めるべきは無機・有機・理論化学の基本的な知識や公式・解法などのインプットです。いずれも1度で終わらせず、何度も復習することが大切です。その後、それぞれのレベルの問題集を用いて何度も繰り返し演習をすることで入試基礎学力および立教大学理学部の入試に対応できる応用力を養いましょう。そして、11月以降は赤本の演習に取り組める状態を作れていることが望ましいです。
また、先の参考書で疑問点などが生じた場合は解説を読んで「分かった気」にならず、前の講義系の参考書や教科書などに戻って基本知識の再理解をすることが大切です。難しい問題ばかりにチャレンジするよりも、焦らず基礎を固めることで揺るがない入試基礎学力の土台を築くことができます。
そして、冬にかけて本番前まで立教大学理学部の赤本を用いて時間配分などを意識した、より実践的な演習を積むようにしましょう。
ぜひ参考にして立教大学理学部の化学の目標点である7割以上を取れるようにしましょう。