英文解釈は必要か?何のため?理由や判断基準から参考書まで解説

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単語も文法も勉強したのに、長文になると途端に読めなくなる。そんな経験はありませんか?

英文解釈とは、英語の文構造(主語・動詞・修飾関係など)を正しく理解して、意味のある日本語に変換する技術のことです

難関私大(関関同立等)は長文の配点が高く、複雑構文が含まれる割合も多めですので必須のスキルといえます。

この記事では、英文解釈の必要性から判断基準、そして具体的な参考書まで詳しく解説します。

英文解釈は何のために学ぶのか

英文解釈 何のため

英文解釈は、長文を正しく読む力を身につけて合格点を取るために学びます

一部の海外の研究ですが、文の構造(主語・動詞・修飾関係など)を正しく理解できるかは、長文読解での正解率と相関していると研究で明らかになっています。

難関私大(関関同立等)は長文の配点が高く、複雑構文が含まれる割合も多いのが特徴です。

文の構造を正しく理解できなければ、要旨や設問の根拠箇所を読み間違え、得点に直結する失点につながります。

つまり英文解釈は、「不正解を減らす・正解を増やす」ための技術だと考えて覚えてください。

参考:Why We Need to Teach Sentence Comprehension | Shanahan on Literacy

英文解釈は本当に必要か?4つの理由を解説

英文解釈 必要性

大学受験の英語は中学の英語と違って、英単語をそのままつなぎ合わせてノリで読むには限界があります。

以下の5つの理由から、難関大学を目指す高校生には英文解釈が本当に必要です。

  • 「長文勝負」となるから
  • 「構文の壁」にぶつかるから
  • 「構造で理解」できるから
  • 「誤読」を減らせるから

「長文勝負」となるから

難関大入試は「長文勝負」であり、解釈なしでは読めません

長文の中に構文トラップ(倒置・関係詞・仮定法など)を多数含むためです。

長文読解に分配している得点の割合は、ほとんどの大学で大きいです。

関関同立の熾烈な入試を突破するためには、長文を読み切る読解力を重点的に鍛えなければなりません。

「構文の壁」にぶつかるから

英文解釈なし、つまり文法・単語だけでは限界があるのも理由の1つです

  • 「It is not until ~ that …」
  • 「The 比較級,the 比較級」

など、意味が変わる構文は、単語を知っていても意味がズレるため、解釈できないと致命傷となります。

「構造で理解」できるから

英文解釈を徹底すると「構造で理解」できるようになり、読むスピードも安定します

速読はできても、全体の意味はぼんやりとしか理解できない状態では設問に答えられません。

一方で、構造で理解できるほど精読できると、設問の根拠探しも高速化できて得点力にもつながりやすいです。

英文解釈を勉強する理由は、この「文章を正確に読める」点にもあるわけです。

「誤読」を減らせるから

英文のノリ読み・雰囲気読みには限界があり、知識で読めるのは部分的です

難解構文では「文構造を可視化」できないと誤読の連続になってしまいます。

1文を理解できないだけでも、長文読解では足かせとなってしまうのは言うまでもありません。

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英文解釈が本当に必要な人の特徴

英文解釈 必要な人 特徴

英文解釈の学習が特に高校生には、以下の明確な特徴があります。

  • 英単語が本当は身についていない
  • 論理的な文章読解ができていない
  • 直訳に終始して意訳ができていない

英単語が本当は身についていない

1つ目が、単語帳を一周した「つもり」でも、長文中で出てくる単語を意味に変換できていないケースです

単語を「見てすぐ意味がわかる」レベルで覚えていないと、読解スピードが著しく落ち、文全体の意味を見失いやすくなります。

特に共通語レベルの基本単語(1900語前後)ですら定着が甘く、主観的な「覚えた気」になっている受験生が多いのが現状です。

「サラッと読み飛ばしている単語」は、実は覚えきれていない単語という認識を持ってください。

論理的な文章読解ができていない

次に、英文解釈で「1文ごとの訳」はできるようになっても、段落や文章全体での論理の流れを追えていないケースです

「因果」「対比」「言い換え」など、文と文のつながりを意識する読解が重要です。

例えば、

  • 「アメリカは〜、一方日本は〜」のような対比
  • 「お腹すいた→ご飯行こう」という因果関係

などは、英語でも意識的に捉える必要があります。

論理展開を掴むためには、段落間の関係性や展開の意図を整理しながら読む力が求められます。

直訳に終始して意訳ができていない

最後に、単語や構文の知識はあっても、意味のある自然な日本語に再構成する力(意訳力)が欠けているケースです

単語帳の意味を並べるだけで「カタコトの訳」になり、読んだ本人も内容を理解できていません。

読解とは、単語や構文の知識を「意味のある文脈として理解する工程」まで含めてはじめて成立します。

つまり「英文を意味のある日本語として再構成する力」がなければ、解釈しても読解にはならないのです。

英文解釈を学ぶメリット

英文解釈 メリット

難関大学を目指す高校生にとって、英文解釈が必要かの判断材料としては以下の5つのメリットがあります。

  • 単語・文法を”使える知識”へと転換できる
  • 1文を「迷いなく」理解できるようになる
  • 意味を”正しく”取れて選択問題に強くなる
  • 意訳・要約ができるようになる
  • 知らない構文・構造にも対応できる

単語・文法を”使える知識”へと転換できる

第一に、英文解釈を覚えれば単語・文法を”使える知識”へと転換できる点です。

「単語と文法さえやれば読める」と誤解してはいないでしょうか

残念ながら、実際は構造の複雑さや語順のトリックによって、知識がバラバラだと正確に読めません。

英文解釈は、単語(語彙)と文法(構文)を実際の文章の中で使える知識にする役割を果たすのです。

1文を「迷いなく」理解できるようになる

第二に、英文解釈の知識で1文を「迷いなく」理解できるようになる点です。

長文でつまずくのは、「1文ごとの構造が不明確」なまま読み進めているからです

  • SVOC構造
  • 修飾関係
  • 節・句

などを理解できるようになれば、どのような文にも「読み方の型」ができます。

結果として、長文中でも1文ごとの迷いがなくなり、読解スピードと精度が向上します。

意味を”正しく”取れて選択問題に強くなる

第三に、英文解釈によって意味を”正しく”取れて選択問題に強くなる点です。

英文の構造が取れないと、本文内容の論理展開や因果関係を正しく理解できません

結果、選択肢の正誤も判断できなくなります。

逆に英文解釈力があると、話の骨格を正確に追えるようになり、設問への対応力が上がります。

「なんとなく雰囲気で選ぶ」から「根拠を持って判断できる」へと変化するわけです。

意訳・要約ができるようになる

第四に、英文解釈を知っておけば意訳・要約ができるようになる点です。

受験生は、単語の直訳を並べた「カタコト訳」になってしまい、意味が通らない状況に陥ります

英文解釈で構造と意味の流れを意識して訳す練習を積むと、自然な日本語での訳出(意訳)・要約の力もついてきます。

記述問題や自由英作文の文構成力にも波及し、英語を「日本語の思考レベル」で理解できるようになるのが、解釈力の本質です。

知らない構文・構造にも対応できる

最後に、英文解釈を応用すると知らない構文・構造にも対応できる点です。

難関私大の長文には、形式上の文法を外したり、語順をひねったりした文構造トリックが頻出します

単語や文法だけでは見抜けませんが、英文解釈の力があれば構造的に「違和感」や「例外の仕組み」が分かります。

  • 「大学は英語力を見極めるために問題を作っている」

という考えを念頭におけば、難関私大(早慶)・旧帝大(阪大・東大など)の記述対策としての必要性も理解できるはずです。

英文解釈の勉強で知っておきたい注意点

英文解釈 注意点

英文解釈の注意点として知ってほしいのは、英文解釈はゴールではないということです

あくまでも、文法を長文を読むための補助として考えてください。

「解釈教材が好き」「とりあえずやってる」状態ではないでしょうか。

やる目的が「自らの弱点を補うため」でなければ時間の無駄になりやすいです。

過去問演習を進めて「文構造の理解が浅い」と感じた場合は補強としての導入をおすすめします。

ただし、最初から惰性でやるのはNGです。

難関大学入試に対応するには構造把握力が必須

そして、March・関関同立レベル以上の入試問題では、「なんとなく訳す」では対応できない英文が頻出します

ネイティブも使わないような構造トリックや複雑な文構造を正しく捉えるには、英文解釈の訓練が前提です。

単語も文法も知ってるのに「訳せない英文」はないでしょうか。

それを解決する力が英文解釈であり、長文を”正しく・速く・深く”読むための基礎体力そのものです。

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初学者におすすめの英文解釈の参考書

英文解釈 参考書

では、ここからはマナビズムが選んだ英文解釈の参考書を紹介します。

まず、簡単に初学者向けの参考書を以下にまとめました。

参考書名
評価・特徴
対象・用途
肘井先生の『読解のための英文法』シリーズ 初歩から丁寧に解説されており、文も短く構造を把握しやすい。1つひとつの文法項目に忠実に訳していける 初心者~中級者向け。英文解釈の入門として推奨
ポラリス英文解釈 直訳から意訳に移る力を養う。基礎というよりは意訳力や応用力重視 関関同立以上を目指す人には良いが、人によってはオーバーワークになりやすい
矢澤先生の『7時間英文解釈』 短期集中型の総復習またはハイレベル志望者向け。解釈の本質に迫る マナビズムでは最強の英文解釈参考書として位置づけている
ポレポレ英文読解プロセス50 文構造把握力や医学部レベルの読解力が付く。ただし、オーバーワーク気味 医学部・東大レベルを狙う人には効果ありだが、無理に使う必要はない

初心者〜標準レベルなら肘井先生の参考書、上級者なら矢澤先生かポラリスがおすすめです

ただしポレポレはやりすぎに注意してください。

次は、すでに一定の知識がある方に向けた参考書も紹介します。

英文解釈のおすすめ参考書ランキング

英文解釈 参考書 ランキング

https://www.youtube.com/watch?v=74wW4N8MjkY

【動画でもご覧いただけます!】

英文解釈のおすすめ参考書ランキングは、以下のとおりです。

  1. 肘井先生の読むための英文法の必修編
  2. 入門英文問題精講
  3. 初めの英文読解ドリル
  4. 英文解釈ポラリス1
  5. 英文解釈の技術シリーズ

前提として、マナビズムがおすすめする参考書の中で、「7時間英文解釈」は除外しています

マナビズムの3つのルートに採用済みで、1番のおすすめであると繰り返しお伝えしてきたからです。

理解した気になって進めてしまうのを防ぐため、複数の参考書を組み合わせてください。

1. 肘井先生の読むための英文法の必修編

「肘井先生の読むための英文法の必修編」は、最強の英文解釈参考書としての位置づけです

「7時間英文解釈」を代替できるほどの高品質な内容を誇り、解説が丁寧で、つまずきにくい構成になっています。

理解した気になりやすい参考書の弱点を補完し、人に説明できるレベルまで力をつけるのが目標です。

基礎からしっかりと英文解釈を身につけたい受験生には、特におすすめできます。

より確実に理解を定着したいのであれば、「初めの英文読解ドリル」との併用も検討してください。

2. 入門英文問題精講

「入門英文問題精講」は、英文解釈の意識を長文読解でも維持するための最適な参考書です

マナビズムルートでは、参考書の学習者のみに採用しています(全員ではありません)。

特徴は、長文読解に進んでも構文把握を意識し続けられるレベル設定です。

受験生が陥りやすい「長文で構文意識が飛ぶ」問題を解決できます。

ただし、英文解釈10回のレベルより処理能力を要します。

基礎的な英文解釈を終えた後がタイミングで、長文読解と並行して進めてください。

3. 初めの英文読解ドリル

「初めの英文読解ドリル」は、基礎固めとしてのドリル形式の参考書で、演習量を確保できます

肘井先生の参考書や7時間英文解釈と同レベルの難易度で、構文把握や訳すのが苦手な受験生に特に有効です。

インプット参考書と同時進行で使用し、基礎が苦手すぎる場合のプラスアルファとして活用できます。

レベルを落として英文数をしっかり演習したい場合にも適しています。

4. 英文解釈ポラリス1

「英文解釈ポラリス1」は論理的思考を重視した高品質な参考書で、無駄のない解説が特徴です

本書では、できる人の頭の引き出しとロジックを丁寧に説明しています。

そのため、「訳せている気になっている」状態を矯正する効果が高いです。

単語暗記だけでなく、文構造に忠実な理解も促進してくれます。

ただし、情報量で頭がパンクするため、関関同立レベル志望の全員にはおすすめしません。

長文演習が増える夏以降、訳せているのに内容を理解できない受験生に特に有効です。

5. 英文解釈の技術シリーズ

「英文解釈の技術シリーズ」は、古参の定番参考書として長年愛され続けている実績ある参考書です

取り扱っているテーマが絶妙で、1文、2文、3文で構成した英文の構造分析と和訳に集中しています。

ただし、新しい参考書が弱点を補う形で出版するため相対的に劣る部分もあります。

アクセス基本編と入門英文レベル別問題集の解説を比べると、レベル別のほうが質は高いです。

結果、使用する人間を相当選び、演習量を重視し、構文分析を徹底的に行いたい受験生向けです。

より丁寧な解説を書いたほかの参考書があるなかで、あえて選ぶ必要性は限定的となります。

まとめ

結論として、難関大学(関関同立以上)を志望する高校生には、英文解釈は必要です

単語や文法の知識だけでは、複雑な文構造や構文トリックに対応できないためです。

特に以下の3つの特徴がある高校生には、英文解釈の学習を強く推奨します。

  • 単語帳は覚えたつもりだが、長文で意味が浮かばない
  • 1文ごとは訳せるが、文章全体の論理展開が掴めない
  • 直訳はできるが、自然な日本語に意訳する力が不足している

英文解釈の必要性を正しく判断し、受験勉強で志望校合格を掴んでください。

マナビズムは、関関同立に強い塾として、皆さんの合格を全力でサポートしています。

本気で合格を目指したいのであれば、ぜひ相談してください!

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