物理 入門問題精講の効果的な使い方
更新日: (公開日: ) PHYSICS
物理 入門問題精講の効果的な使い方
受験物理の入門書!
落としてはいけない超基本の問題集!
概要
教科書レベルから、入試レベルへの橋渡しとして本書以上に最適な本はないだろう。
センター試験から中堅私大で出題された過去問の中から、基礎力を身に付けるために必ず解いておきたい良問を選定してつくられた。
この問題の質がただただ素晴らしい。
簡単な問題というだけでなく、なぜその公式を使うのか、なぜそういったグラフになるのか、などなど枚挙にいとまがない。
まさに入試問題に触れつつ、物理に対してより深く理解を深めることが出来る1冊だ。
解説・考え方ももちろん初学者向けに書かれているので、かなり丁寧に書かれている。
そして、大事な公式や知識、法則をポイントとして取り上げ、重要ポイントがわかりやすくなっている。
1問に取り組むだけで、数々の覚えるべき事項が吸収できることだろう。
気になる特徴は?
本書で一貫して強調して書かれていること、すなわち伝えたいことは「どんな難しく見える物理現象も、いくつかの基本的な法則や公式を組み合わせて解くことができる」ということだ。
そこで本書では、まずその「いくつかの基本的な法則や公式」をインプットしてもらうための問題を選んでいる。
そこで問題に取り組みながら「各問題に対してどのようにアプローチすればいいか、どのような基本的な公式や法則をおさえておくべきか」を学ぶことが出来る。
さらに具体的な特徴は以下の3つ。
・117題と最小で最大の効果を発揮する良問ぞろい
・高校物理の全範囲を117題という、とてつもなく少ない問題数で網羅している
まずは、この117題で今までの教科書や定期テストの問題から「入試問題に慣れる」という段階まで進もう
・問題の解答よりも、着眼点・考え方に焦点をあてている
上の117題で本書が書いていることは、「どのような流れで考えればよいのか」ということに焦点を当てている。
その中でも、特に重要なものについてはポイントとしてまとめている。
(だからといって解説・解答が不親切という訳ではもちろん無い。)
覚えるべきポイントが明確
教科書などに戻って公式を確認しなくても、本書に「公式」としてまとめている箇所があるので、そこでしっかりと忘れていた公式は覚え直そう。
という風に、まさに至れり尽くせりな参考書だ。
どのレベルから始めることが出来て、どのレベルまで到達できるの?
これは非常に良い質問だ。
ズバリ結論から言うと
「学校で1度習ったレベル」から「センター6割程度」
であろう。
「あれ?思ったより到達点が低いな」と思うかもしれないが、冒頭にも述べたとおり本書は「教科書から入試レベルへの橋渡し」だ。
本書1冊でめきめきと力が伸びました!などという効果は望めない。
だからといって!本書を飛ばしていいはずがないのは、ここまで読んでくださった方としては百も承知だろう。
本書は「基本的な法則・公式の使い方」を学べる。
物理を学ぶ上でほとんどの人が出くわす壁の一つとして「公式を覚えたはいいけど、使いどころがイマイチ…」という人だ。(私もそうであったが)
その解決法として、学校で配られたような「傍用問題集」をひたすら解いたりした人も多いのではないだろうか。
しかし、これでは問題暗記になってしまい、それ以外の問題では何の意味もなさない。(これで点が取れてしまうのが定期テストである。ゆえに「おれは出来るんだ」と錯角してしまう生徒がなんと多いことか…)
では、どうすればいいのかというと、「着眼点・考え方」を問題を通して学ぶことが一番効率的だ。
やはり「公式を使うために作られた問題」を解くのではなく、「実際の入試問題」を通して学ぶ方が実践的な力がつくのは間違いない。
そういった実力を本書でつかんで欲しい。
話を戻すが、要するに
「本書に取り組まずして、入試問題が解けるようにはならない」ということだ。
しっかりと、驕り高ぶらず謙虚に自分のレベルに合った問題集を選んでほしい。
その方が近道なのだから。