センター世界史B各駅停車の効果的な使い方
更新日: (公開日: ) WORLD-HISTORY
1.センター世界史B各駅停車の概要と使用目的
この参考書は比較的分厚い本ですが、世界史の様々な歴史事象、流れや要点の多くが各国史別に書かれているのと、文字が大きくイラストや地図、歴史上のエピソードが多く載っているため、読み終えるのにそれほど苦痛は感じる事はないのでないかと思われます。
その各国史別に書かれた用語ですが、センター試験に問われる用語はもちろんのこと、正誤問題で問われるポイントが示されています。ここも一つこの参考書の特徴といえます。
地図を使った「戦国の七雄」を地図を使って覚える方法や語呂合わせを使った覚え方は、とてもインパクトがあるため、記憶する際に役立つかもしれません。
また、講義口調で書かれており、歴史上のエピソードも色々と載っているので、世界史が苦手な人でも楽しく読み進められるのではないでしょうか。
センター試験の過去問17年分のデータをベースに先史時代から現代史、文化史を各国別に解説していますので、センター試験を受験することを考えている人には、出題傾向や学習対策として使用していくことをすすめます。
また、私大を目指している人も、センター試験という標準な問題でどこまでできるのか自らの世界史Bの実力をはかるために使用するのもひとつの手です。平たく言うと、インプットが進んできた時期の実力試しに使って欲しいということです。
2.センター世界史B各駅停車の具体的な内容
この本の最大の特徴は、各国史の構成を取っている点にあります。世界史通史モノの学参は、古代→中世→近世→近代→現代といったように時代区分ごとに構成しているものが多いですが、本書は、あえて次のような章構成を取っています。
1:先史時代
2:中国史
3:朝鮮・日本・琉球史
4:インド史
5:東南アジア史
6:西アジア史
7:アフリカ史
8:ギリシア史
9:ローマ史
10:中世西欧とビサンツ
11:近世西欧
12:近代西欧
13:西欧現代史
14:東欧史
15:アメリカ大陸史
世界史の教科書というものは、時代ごとに扱う地域が行ったり来たりしていて、地域の連続性が追いにくいと感じる人が多いのではないでしょうか。
多くの学参がそうした教科書的な構成を踏襲しているなか、上記のような各国史を構成の軸にしているところはまたひと味違っていて、初学者にとっては読みやすい構成になっています。
書名の「各駅停車」も、各国の歴史を一つずつ学んでいくところにちなんでいることからも、世界史初学者にも優しい参考書であることが読み取れます。
解説がこれまた丁寧であって、ところどころで披露される豆知識も面白いものばかりです。
たとえば「ハプスブルク家のひとたちの特徴は面長の顔、というより異常に顎が突きでた顔をもっていたことで、歯と歯がうまくかみ合わないので、上手く物をかむことができなかったり、しゃべることができませんでした」なんていうチャーミングな記述もあります。
扱う用語や事象もセンター試験に照準を合わせているため、難関私大で出題されるような瑣末な用語はカットされ、その分、歴史の流れを重視した説明になっているのもいいところでしょう。
地図も豊富で、自筆の人物イラストもいい具合のアクセントになっているのでは。教科書を読みにくいと感じてしまっている人にはオススメの参考書の一つです。
3.センター世界史B各駅停車の使い方
1章から始めていき、その際に一日あるいは一週間でどこまでやるのか決めておきましょう。もっといえば、いつまでにこの参考書を終わらせるのかまで考えておくとなおよいです。
参考書を回していく中で、なかなか覚えられない用語や地図はカードに書き出したり拡大コピーして、通学途中の電車の中やいつでも空いている時間を使って見ていきましょう。
覚えにくいものほど時間をかけたり、ゴロを作るなど工夫していってください。簡単なものや得意な範囲は何度も繰り返すというよりは、忘れてきた頃に復習するという方法でよいでしょう。
分かるところに時間をかけてしまっても世界史の学力向上はさほど望めません。
4.センター世界史B各駅停車の注意点
この参考書に取り組んでいくにあたって気をつけておいて欲しいことは、知識は何度も何度も使い込まないと、あるいは復習をやりこんでいかないと抜け落ちていってしまうということです。
また、語句の丸暗記では正誤問題において苦戦してしまうことがでてきますので、教科書のどこが正誤判断の対象になるかを知っておく必要があります。あいまいな知識やまぎらわしい知識を突いてくるのが正誤問題の性格です。この正誤判定を正確に判断するには、どういう知識がまぎらわしく、かつ混同したかたちで問われ、どのようにおぼえておくと正しい判断ができるかを学んでおく必要があります。
この参考書では、過去問の正誤はどう問われるかを研究して、まちがった判断をしないように、注意すべく▲記号(本はグレー表示)のところで伝授しています。覚え方は★記号のところで示しています。
ここをしっかり確認しておくと効果的に学習を進められるでしょう。